屋根修理・雨漏り修理など屋根工事に関する資格について

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屋根修理・雨漏り修理など屋根工事に関する資格について

屋根修理・雨漏り修理など屋根工事では、業者選びが工事の成否に大きく関わるといわれています。
しかし、普段屋根工事に馴染みがない方からすれば、何を基準に業者を選べば良いのか、何をもって優良業者と判断すれば良いのかがわかりません。
そんな時、判断基準のひとつになるのが屋根工事に関する資格です。
持っていれば絶対に優良業者と断定はできませんが、資格を持っていれば一定以上の知識と技術があることの証明になります。
このページでは、屋根修理・雨漏り修理など屋根工事に関する資格について解説します。

屋根修理・雨漏り修理など屋根工事に関する資格について

瓦屋根を扱う業者に持っておいてほしい資格一覧

瓦屋根を扱う業者に持っておいてほしい資格一覧

他のスレートや金属屋根と違い、瓦屋根には瓦を取り扱う専門技術と、屋根・建物の構造に関する専門知識が求められます。
瓦屋根を扱う業者に持っておいてほしい資格には以下の3つが挙げられます。

・瓦葺き(かわらぶき)技能士
・瓦屋根工事技士
・瓦屋根診断技士

実際には資格がなくても施工可能ですし、特に職歴が長い高齢の職人さんなどは、「資格のある無しは仕上がりに関係ない」と技能試験や筆記試験を受けておらず、資格を持ってない人も多いです。
しかし、上記の資格を所持していることは、瓦に関する一定以上の知識と技術があることの証明になるので、業者を選ぶ際の安心材料となるでしょう。
それでは、それぞれの資格について詳しく見ていきましょう。

瓦葺き(かわらぶき)技能士

瓦葺き(かわらぶき)技能士は、技能試験と筆記試験の両方に合格した職人だけに交付される国家資格です。
1級・2級・3級の3種類に分けられますが、3級は実務経験がなくとも受験することができ、2級は実務経験が2年以上で受験資格が与えられます。
そのため、取得のハードルはそこまで高くない資格といえます。

しかし1級は、実務経験が7年以上、もしくは2級に合格して2年以上の実務経験が必要となり、受験資格を得るだけでも数年かかります。
また、実技試験では実際に軒瓦などを使用した瓦葺きの実技を行うため、職務年数だけでなく本当に技術が伴っていないと合格が難しい試験となっています。

上述のように、瓦が扱える職人の中には、「資格と技術は関係ない」と資格を取得していない人も多いです。
実際、資格未取得でも確実で丁寧な施工をしてくれる職人さんも沢山いますが、特に瓦屋根の工事を検討している方は、業者がこの資格を持っているか確認しておくと良いでしょう。

瓦屋根工事技士

瓦屋根工事技士は、内閣府所管の全日本瓦工事連盟が認定する資格で、受験には実務経験が3年以上必要です。
瓦屋根に関する構法・設計・施工・品質管理など、さまざまな専門知識を持った管理者であることの証明となる資格です。

瓦葺き技能士と異なり試験は学科試験のみですが、回答方法は四択だけでなく記述も含まれるため、合格するには瓦屋根に関する幅広い知識が求められます
合格率は約6割と比較的高めですが、瓦屋根の修理をご検討中の方には、業者が資格を保有しているか確認しておいていただきたい資格です。

瓦屋根診断技士

瓦屋根診断技士は、全日本瓦工事連盟に認定された職人だけが取得できる資格です。
瓦屋根に対して正確な診断ができる知識を有している証明となります。
取得条件は、

・全日本瓦工事連盟の組合員である
・瓦葺き(かわらぶき)技能士(2級以上)を所有
・瓦屋根工事技士の資格を所有

となっており、瓦葺き技能士と瓦屋根工事技士の両方を持っていることが条件となっているため、取得難易度が非常に高い資格です。
試験内容も、学科のほかに講習や研修があり、この資格を持っている業者は瓦のスペシャリストといえる資格であり、この資格を持っている業者であれば安心して瓦屋根の工事をお願いできるでしょう。

金属屋根・屋根板金を扱う業者に持っておいてほしい資格

金属屋根・屋根板金を扱う業者であれば、「建築板金」の資格を持っている業者なら安心して工事を任せることができます。
建築板金は、薄い金属板を用いて金属屋根を仕上げたり、折ったり変形させるなどの加工を施して雨樋や雨じまいを仕上げる仕事です。

建築板金の資格には1級から3級まであり、3級は実務経験がなくても受験でき、2級なら2年以上の実務経験があれば受験が可能です。
1級の受験は、実務経験7年以上、もしくは2級を合格してから2年以上の実務経験が必要となります。

近年、いつか来る地震に備えて建物の耐震性向上が注目されており、軽量な屋根ほど耐震性が高くなることから軽量な金属屋根、特にガルバリウム鋼板の需要が高まっています。
ガルバリウム鋼板は、軽さと耐久性の両方を兼ね備えており、新築でもリフォームでも年々採用率が高まっている人気の屋根材です。
ガルバリウム鋼板も金属屋根の一種であることから、金属屋根の取り扱いに長けた建築板金の資格を持つ業者であれば、適正に取り扱うことができるでしょう
金属屋根・屋根板金に関する工事をご検討中の方は、業者が建築板金の資格を所有しているかチェックしてみるのがおすすめです。

屋根塗装を扱う業者に持っておいてほしい資格

屋根塗装を扱う業者であれば、「塗装技能士」を持っている業者であれば安心です。
2級で2年以上の実務経験、1級で7年以上の実務経験が必要となり、試験には学科と実技があります。

屋根修理と屋根塗装は同じ屋根に対する工事ですが、その目的はまったく異なります。
屋根修理は修繕を目的としていますが、屋根塗装はメンテナンスや屋根材の保護のために行われる工事です。
業者に求められる知識も技術も屋根修理とはまったく異なるため、屋根の塗装に関しては塗装技能士の資格を所有しているのが望ましいでしょう。

屋根工事に関する資格を持っていない業者に依頼すると起こり得るトラブルとは?

屋根工事に関する資格を持っていない業者に依頼すると起こり得るトラブルとは?

屋根は住まいを雨風や紫外線など自然環境から守るための重要な場所であり、その屋根に関する工事は住まいを守る上で大切な作業です。
ここまで解説したように、資格を持っていなくてもしっかり確実な工事をしてくれる業者もいますが、優良業者ほどしっかり資格を所有しているのもまた事実です。
資格を持っていない=悪質な業者とは断定できませんが、資格を持った業者に工事を依頼しないと、次のようなトラブルが起こる可能性があります。

屋根診断・雨漏り診断でミスが起こる

屋根診断、特に雨漏り診断は、さまざまな現場の雨漏りに携わった経験、そして屋根に関する豊富な知識が必要です。
そのため、技術的な部分より経験や知識が豊富な求められる作業です。

経験・知識に乏しい業者が屋根診断・雨漏り診断を行なっても正確な診断ができず、雨漏りの原因箇所を的確に見極められない恐れがあります。
そうなれば、せっかく雨漏り修理を行なったにも関わらず、すぐに雨漏りが再発するといった事態を招きかねません。
職歴の長い職人さんであれば経験と実地で培った知識でカバーできる場合もありますが、やはり診断技士のように知識を有している業者に依頼するのが安心です。

適正な屋根の修理方法を提案できない

技能士や建築板金といった技術に関する資格を所有していない場合、屋根の状態に対して適正な修理方法を提案できない恐れがあります。
特に屋根葺き替え工事は、専門的な技術を持った業者でなければ適正な工事を行うことができません。
そのため、技術のない悪質な業者は、比較的施工が容易なカバー工法ばかり提案してきます。

本当であれば屋根葺き替えによって下地からやり直さないといけないような場面でも、屋根葺き替えに対応できないので強引にカバー工法を行おうとするのです。
カバー工法を行なったとしても、下地や防水シートが劣化したままでは適正にリフォーム・修繕されたとは決して言えません。
屋根工事に関する資格は、工事を適正に行える証明でもあるため、屋根葺き替えなら瓦葺き技能士、カバー工法なら建築板金の資格を持っている業者を選ぶのが望ましいです。

手抜き工事による施工後の不具合発生

一方的に決めつけるのは早計ですが、資格を所持していない業者は屋根工事のプロとしての意識が低いことが往々にしてあります。
プロ意識が低いということは、手抜き工事をされるリスクが高くなるということです。

施工不良による屋根の不具合は施工後すぐに起こるとは限りません。
施工後に晴天が続けば雨漏りは発生せず、手抜き工事に気づくのが遅れてしまうケースもあります。
そうなれば、業者側も自社の手抜きによる不具合とは認めない場合が多く、結局施主様の側で泣き寝入りとなることが多いのです。

上述の通り、職歴が長いベテランの職人は資格を所有していないことが多いですが、一方中堅の業者は皆様にとっての安心材料として資格を取得しているケースが多いです。
資格を持っているから絶対安心とは言えませんが、持っていない業者と比べると屋根工事、そして皆様に対してのプロ意識は高いと言えるでしょう。

屋根修理・雨漏り修理など屋根工事に関する資格について まとめ

屋根工事では、資格を持っていなくても高い技術・豊富な知識を持っている業者がたくさんいます。
しかし、普段屋根工事に馴染みがない一般の方からすれば技術・知識を見極めるのは難しく、施工後も施工不良に気づかないことも多いです。

屋根工事は決して安い工事ではありません。
だからこそ、疑ってかかるという訳ではありませんが、業者が屋根工事に関する資格を所有しているかどうかは業者選びにおいて大きな判断基準になると覚えておきましょう。

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