屋根の点検・診断では何を確認しているの?
屋根の点検・診断について、「実際になにを確認しているのかよく分からない」という方も多いかと思います。
住宅を守るためには欠かせない屋根の点検・診断ですが、ここでは屋根の点検の必要性と具体的に業者はなにを確認しているのかについて解説します。
屋根材の劣化や破損の確認
屋根は普段の生活の中では地上から見ても見えない部分ですので、業者は屋根に登った際にはまず屋根材の劣化状況を確認します。
劣化が進んでいると、室内には被害が及んでいなくても屋根内部では雨漏り・腐食が進んでいた、といった被害が見つかるケースも多いです。
特に、台風シーズンを過ぎた後では屋根材の剥がれ・屋根板金の浮きが発生しているケースも珍しくなく、そうした屋根の劣化や破損などをしっかりと目で見て触って確かめていきます。
屋根修理業者が行う点検・診断は劣化や破損の確認とともに、劣化が進行しそうな箇所を未然に発見する意味合いもあります。
定期的に点検・診断を行っていれば問題ありませんが、10年以上放置した屋根には何かしら劣化の症状が現れはじめるものです。
ご自身でも見つけやすい屋根の劣化症状というものがあり、それらを発見した場合は速やかに専門業者に点検・診断を依頼するようにしましょう。
屋根の劣化サインとなる4つの症状とは?屋根材ごとのメンテナンス方法を解説
雨漏りの有無や雨水の侵入ルートの確認
雨漏りの有無を確認することはもちろん、万が一雨漏りが発生している場合は、点検の段階である程度侵入ルートにも目星をつけます。
しかし、雨漏りの侵入ルートの特定はプロの屋根修理業者であっても困難な場合が多く、経験と知識を必要とする非常に難しい工程です。
特に、雨漏りによっては強い横風を伴わないと雨漏りが発生しないタイプもあり、熟練の業者でも一度の点検では原因箇所が特定できないケースも少なくありません。
そのため、点検当日にすべてが特定できるとは限りませんが、侵入ルートが明らかな場合は修理するまでの間ブルーシートを被せる、または応急処置として破損箇所を塞ぐなどして一時的な処置を行う場合もあります。
作業に関しては無料で対応してくれる業者もいれば、有料での対応となる業者もいますが、有料の場合は作業前に料金の確認を行い、施主様の了承後の作業となります。
このように、屋根の点検・診断は現状の雨漏りを悪化させないためにも有効な手段です。
害虫や害獣被害を未然に防ぐ
住まいの立地によっては、劣化した屋根や外壁の隙間から害虫や害獣が屋内へと侵入してしまっている場合があります。
わずかな隙間から野生生物が家の中へ侵入するのは、決して珍しいことではありません。
そのため、屋根の劣化や雨漏りだけではなく、害虫・害獣被害が発生するリスクがある住宅に対しては点検を行い、侵入箇所になりそうな穴を塞ぐ/span>など対処してくれます。
屋根の点検・診断にかかる費用はいくら?
屋根の点検・診断は、無料で行っている業者もあれば、費用がかかる業者もあります。
初回の屋根の点検・診断であれば見積もり作成まで無料で引き受けてくれる業者がほとんどですが、2回目以降の点検は有料という業者も少なくありません。
ここでは、屋根の点検に費用がかかる場合の相場についてご紹介します。
点検・診断の費用相場は5,000円~15,000円
屋根の点検・診断費用にかかる平均的な相場は、5,000円~15,000円程度です。
お住まいの地域や業者の価格設定により費用が変わってくるため、依頼する前に費用は発生するのか、発生する場合は費用がいくらなのかを確認しておきましょう。
また、依頼する際に気をつけたいのが、業者の出張費用です。
点検・診断費用の中に出張費用を含む業者、出張費用を取らない業者、別途で出張費用を取る業者とさまざまですので、出張費用やその他諸経費ついても依頼前に確認しておくと安心です。
修繕作業が発生した場合は別途費用が発生する
点検・診断費用は、あくまでも屋根の点検にかかる費用です。
点検の結果、修繕作業を行う必要があり、その場で修理を依頼した場合は別途費用が発生します。
簡易的な修繕作業であればサービスとして無料で対応してくれるケースもありますが、雨漏りなど被害が甚大な場合は簡易作業であっても高額な費用がかかることもあります。
高額な修繕費用が発生しそうな場合は、その場で契約するのではなく2~3社に相見積もりをしたうえで、慎重に契約をするのがおすすめです。
屋根の点検・診断を行う適切なタイミング・時期とは?
屋根の点検・診断を行う頻度は、その住宅の築年数や立地環境によって変わってきます。
もちろん、使っている屋根材や屋根形状も影響してくるため、点検・診断の適切な時期は実際は住宅によってさまざまです。
しかし、目安がないと計画が立てにくいかと思います。
最後に、屋根の点検・診断を行う適切な時期を、住宅の築年数やケースに応じて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
新築の場合は10年~15年に一度
屋根の耐久性を考慮すると、新築住宅の場合は10年~15年が屋根修理・屋根塗装など初回メンテナンスを実施すべきタイミングです・
そのため新築の屋根点検・診断は、およそ10年を経過した頃が一度点検を行うひとつの目安とされています。
築20年以降の場合は、屋根以外の場所などからも雨漏りリスクが高まってくるので、築20年を超えている住宅の場合は更に短いスパンで点検を行う必要があります。
雨漏り歴がある場合は5年~7年に一度
過去に屋根から雨漏りが発生したことがある場合は、5年~7年に一度の周期で点検を実施するようにしましょう。
一度雨漏りが起こってしまうと、少なからず雨漏りは再発する可能性があります。
そのため、状況によっては毎年点検を実施した方がいいと業者にすすめられるケースもあります。
雨漏り歴があるからといって必ずしも毎年行わないといけないわけではありませんが、業者の意見を参考にしつつ少し早めに屋根の点検・診断を行った方がいいでしょう。
雨漏り予防の観点からは毎年の点検がおすすめ
10年に一度、5年~7年に一度といったお話をしてきましたが、雨漏りを徹底的に予防したいという方は、毎年点検だけでも実施するのがおすすめです。
「毎年はちょっと出費が気になる」という方は2年に一度や、3年に一度など、無理のない範囲でできる限り早めの点検を実施しましょう。
また、お住まいの地域が沿岸部や台風被害に巻き込まれやすい地域、降水量が多い地域や降雪地帯などの場合は、新築であっても10年未満で雨漏りが起きる可能性があります。
点検の年数だけにこだわらず、不安がある場合は早め早めの点検で雨漏り被害を予防していきましょう。